求人に応募したのに、書類選考の結果が届かず、不安に感じている人はいるのではないでしょうか?また、忘れた頃に不採用通知が来ることもあれば、諦めかけていた時に面接の案内が来ることもあります。 これはなんで?という疑問を持つ人は多いと思います。
書類選考の結果いつまで待たせるんだろう?
採否がはっきりしないと動くに動けない。
書類選考が遅いときの理由と対処法を解説するよ。
この記事でわかること
- 書類選考が遅くなるのはなぜか
- 書類選考が遅い場合に取るべき行動とは
- 書類選考の通過率を上げる方法
- 書類選考で落ちた場合に再応募は可能か
【この記事を書いた人】
私は外資系企業の人事部門で責任者として勤務をしています。自身も日系・外資系の両社で幾度かの転職を経験しているので、転職者が何に苦労しているか、採用者は何を求めているかがよくわかります。また、求職者・求人者両方の立場から多くの転職エージエントと関わりを持っているため、信頼できるエージエントをおすすめすることができます。
書類選考が遅いのはキープしているのか?
書類選考の回答が遅い場合は、キープされている可能性は十分にあります。
とは言え、キープ=補欠のことが大半なので、全く望みがないわけではありませんが過度の期待はできません。
有望な場合、早ければ書類が届いた当日、遅くとも3日以内には面接の案内があります。
書類選考の合否の目途は約1週間です。これを超える場合はキープの可能性が高くなります。
書類選考の合否通知は1週間以内を目途に
なぜ書類選考が遅くなるのか?
転職エージェント利用の場合
転職エージェントを利用している場合、採用が正式にスタートしていない事があります。
Case1)正式な求人スタート前
転職エージェントは、事前に採用企業から求人情報を入手することがあります。求人情報を入手したエージェントは、他のライバルエージェントより優位に立つために、前倒しで候補者に声を掛けて準備をします。この段階で応募をすると、採用活動を開始していない企業は、書類選考の結果連絡を保留にします。
例外的に、紹介された候補者が求めている人材要件を十分に満たすのであれば、選考を開始することはあります。
通常は、まだ正式に求人は開始していないので、選考に時間がかかる旨エージエントより説明があるはずです。 説明がなく時間がかかっている場合は、エージェントに確認をしてみましょう。
また、エージェントの担当者によっては、書類選考が不合格だった場合は応募者に連絡をしない(遅れる)ことがあります。 合格者の連絡を優先している、単に多忙で手がまわっていないなど事情はあると思いますが、1週間~10日経過しても何も連絡がない場合は、エージェントに確認をしてみましょう。採用企業は、迅速に不合格の旨を連絡していても、エージェントで止まっていたということも有り得ます。
case 2 ) エージェントが結果連絡をしていない
逆に、書類選考の合格情報がエージェントで止まるということはまずないので、その点は安心してください。
母集団を形成している段階
母集団形成とは、量と質の両面から求人ポジションのターゲットとなる応募者を集めることです。
母集団形成 → 書類選考 → 1次面接 → 2次面接….と進む過程で、残る人材が減少していくので、ある程度の母集団を形成していないと、全員不合格で採用できる人がいないということが起こります。
勤務地が都市部の有名企業であれば、母集団の形成は困難ではないかも知れません。
しかし、そうでない場合、例えば地方の中小企業などでは、苦労することがあります。母集団形成に時間がかかる結果、書類選考の合否判定にも時間がかかることが起こります。
case 3 ) 候補者の母集団形成中
書類選考が通らない、通過率を上げるにはどうすればいいのか?
中途採用の書類選考は候補者のスキル、経験、実績に重点が置かれます。新卒と異なり、一から育てていくのではなく、短期間で戦力となる人材を求めています。
中途採用は即戦力が前提
書類上は優秀でも実際に会ってみると期待外れの場合、逆に書類上はあまりよくないが会ってみると期待を超える場合があります。
応募者全員と面接を行ったうえで採否を決めることができればいいのですが、時間的な制約からそれができる企業はかなり少数です。大多数の企業では、書類選考で面接に進める候補者を選抜せざる得ません。面接では期待を超えるような人が、書類選考で不合格になることはもったいない話です。
書類選考が通らない30代・40代
転職は年齢を重ねるごとに厳しくなっていきます。また、30代、40代は転職難易度が分かれる年代です。十分な経験とスキルを積んだ人に取っては、転職適齢期とも言えますが、そうでない人は苦戦を強いられることになります。
30代、40代の転職は今までの経験とスキルが重要
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なぜ書類選考が通過しないのか?
採用企業が求める求人スペックを満たしていない
経験、スキル、実績以外に、性別・年齢・学歴・出身校などが採用企業の求めるものと合致していない場合があります。採用企業は、公言はしませんが、多くの会社が性別・年齢・学歴・出身校などの基準を持っています。
現在・過去の会社と全く異なる業種、規模の会社に応募している
採用企業は、どこの会社で経験を積み、スキルを獲得し、実績をあげてきたのかを確認します。
5,000人規模の会社か、50人規模の会社か、外資か日系か、製造業かサービス業か。
現在・過去の会社と同規模、近い業種の会社を狙った方が、書類選考通過の可能性は高くなります。
居住地が勤務地から遠い
採用企業によっては、遠方在住の候補者は自社の優先順位は低いだろうと判断し、通勤圏内在住の候補者を優先する場合があります。書類には、Uターン・Iターン希望などと明記した方がベターです。
経験、スキル、条件が企業の求めるものと一致しているか確認する
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書類選考の通過率を上げる方法
職務経歴書の書き方、自分の経験・スキルの再確認など、対策として行うことは幾つかあります。
ここでは、違う角度から書類選考通過率アップを考えてみたいと思います。
求人スペックと自分のスペックを比較して応募時期を調整する
書類選考通過に影響する要因として、応募時期があります。
応募時期が書類選考の通過とどう関係するのだろう?思われた方もいらっしゃるかも知れません。
書類選考と応募の時期って関係あるの?
結論を先に言うと、求める人材要件に合致する人材が集まらないため、採用企業が人材要件を緩和するタイミングで応募すれば、書類選考通過の可能性が高くなるということです。 そんな情報はどこで入手するんだと思うかも知れませんが、これは転職エージェントを利用しての転職であれば、比較的容易に入手できる情報です。
応募時期を工夫してみよう
採用企業の人材要件の変化
採用企業は、募集が順調に進まずに時間が経過していく場合は、次のように要件を変化させることが少なくありません。
自社が求める要件を100%満たす人材の採用を目指します。人事部門は転職マーケットの状況と自社の相対的位置を勘案して、人材要件を60%満たせば合格だと考えたとしても、採用部門は妥協しません。そのため、募集直後は採用企業も強気で書類選考を行う傾向にあります。
強気の採用がうまく進めばいいのですが、そうまくは行きません。母集団が思うように集まらない。面接まで進めたとしても、候補者からの辞退がある。優秀だと思う人は他社も同様に優秀だと思うので、取り合いのような状態になります。
想定以上に採用に時間がかかる場合は、人材要件の見直しを行います。例えば、年齢枠を広げる、経験とスキルの要件を緩和する、学歴を緩和するなどといった変更を行います。
どのタイミングで応募することがよいのか?
あなたの経験やスキルなどが、応募したい求人の人材要件をほぼ満たしていると考えるのであれば、つまり、その求人に対して合格する自信がある場合は、できるだけ早く応募する方がベターです。
逆に、あなたの経験やスキルなどを考えると、応募したい求人は難関だと感じる場合、つまり、その求人に対して合格する自信が低い場合は、タイミングを測って応募する事をお勧めします。
これを実行するためには、他の候補者の状況や採用企業の選考状況を知る必要があるので、転職エージェントを上手く活用してください。
転職エージェントから情報を収集しよう
転職エージェントに興味がある人は、下記の記事を参考にしてください。
書類選考 落ちた 諦められない、もう一度応募したい
書類選考に落ちたが諦められない、もう一度応募したいという人は少なくありません。
書類選考で落ちても、再度応募することは可能です。
転職エージェントを経由している場合は、一定期間経過しないと受け付けてもらえない事もありますが、あなたが独自に応募した会社であれば再応募はできます。
ただ、職内容や人材要件また採用企業の選考者が同じであれば、再応募してもやはり不採用となる可能性は高いと言えます。
書類選考落ちたものの諦められないときはどうすればよいか?
本当の不採用理由を聞いて改善後に応募する。
本当の不採用理由ってなに?と思うかも知れませんが、お断りするときは当たり障りのない理由・表現が多いため、実際のところはよくわからない事が多くあります。この点は、あなたが採用通知を受けた企業を辞退する場合を考えても同じではないかと思います。
努力ではどうしようもできないもの(例えば、年齢、性別、学歴、出身校、前職の経歴など)であれば諦めるしかありませんが、経験不足・スキル不足・資格などであれば、改善後に再挑戦する価値はあります。
不採用理由を明確に把握する
とは言え、真の不採用理由は、転職エージェント経由で応募している場合でないとわからないと思います。もちろん、直接応募先企業に問い合わせることは出来ますが、回答を得ることは難しいでしょう。
努力では解決できない不採用理由であれば別の道に進む選択を
職務経歴書を採用企業に送るだけの転職エージェントの担当者、熱心にプレゼンしてくれる担当者など、担当者による差異があることは否定できません。また、転職エージェントの担当者が採用企業に太いパイプを持っていれば、それだけ優位に働くことがあります。
転職エージェントの担当者は重要な要素の一つ
まとめ
書類選考の結果連絡が遅いのはなぜか?
1. キープされている
2. まだ選考が始まっていない
3. 母集団を形成中
4. エージェントで止まっている
書類選考の結果が遅い場合、過度の期待はできないものの望みがない訳ではありません。一人で悩まずに、気になったらエージェントに確認をしてみましょう。
エージェントがわからなければ、応募先企業に確認して回答をくれます。
書類選考が通過しない
その原因はあなたの努力の範囲外か(年齢、性別、出身校など)範囲内か(経験、スキル、資格など)を確認しましょう。理由もわからずに落ち込む必要はありません。
書類選考の通過率を上げるために
応募時期も考えてみましょう。求人の人材要件を満たしていると判断すれば、なるべく早くに応募、満たすのが難しいと思えば、エージェントに確認しながら時期を見て応募しましょう。
書類選考落ちたものの諦めきれないときは再応募もあり
落ちた理由を明確にし、準備を整えた上で再挑戦しましょう。ただし、自分の努力の範囲外の事(年齢、性別、出身校など)が理由であれば、新たな方向に進みましょう。
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