転職エージェントに登録を断られることは、年齢に関係なく誰にでも起こり得ます。断られないまでも、登録後に全く仕事の紹介が来ないという事もあります。
経験とスキルを積んで来た40代の転職者にとって、断られること、仕事の紹介が来ないことのショックや不安は大きいと思います。
転職エージェントに登録断られた!
断られた理由と対処法を解説します。
この記事を書いた人
私は外資系企業の人事部門で責任者として勤務をしています。自身も日系・外資の両社で幾度かの転職を経験しており、転職者としての視点、採用者としての視点の両者から転職を捉えています。また、40代で2度の転職を経験しました。結果的には年収もポジションも上がり転職に成功したと思っています。少しでも皆さんのお役に立てる情報が提供できれば幸いです。
40代が転職エージェントに断られる理由
法律上、転職エージェント(職業紹介業者)は求職の申し込みを断ることはできません。しかし、現実には求職者が登録を断られることはしばしば発生しています。また、登録は受け付けるものの、仕事の紹介は一切しないという転職エージェントもあります。
形は違いますが、両者とも何もサポートを受けることができないという点では同じです。なぜ、転職エージェントは登録拒否や仕事を紹介しないのでしょうか?
転職エージェントが断る4つの理由
4つの理由はサポートできないという点で共通している。
経験・スキルと希望条件が合わない
求職者が希望する仕事内容、ポジション、年収などの条件と、これまでの経験・スキルが合っていない事があります。40代は即戦力が求められるので、現在の経験・スキルを超える希望をサポートすることは困難です。例えば、40代で主任として勤務をしている人が、役員を目指して転職したいと希望しても、それを受けるエージェントはありません。
転職回数が多い、ブランク期間が長い
多くの企業は、短期間で転職を繰り返している人やブランクが長い人を好まない傾向にあります。採用しても直ぐに辞めるかも知れない、人物的に問題があるかも知れないなどの不安を持つからです。そのため、合致する求人の選択肢も少なく、転職エージェントはサポートに慎重になります。
希望する業界・職種・地域の求人を持っていない
転職エージェントの選択が適切でないと、「該当する求人がない」という理由で断られる事があります。例えば、40代営業職の人が、IT業界や20代に特化した転職エージェントに登録をしようとしても、サポートが困難との理由で断られることになります。
人物面から企業に紹介が難しい
レジメに記載されている経験やスキルに問題はないものの、電話や直接会って話しをしてみると、求人企業には紹介できそうにないと判断されることがあります。社会人として組織に入って仕事をすることに適性があるかどうかということであって、その人の人格を否定しているわけではありません。起業して、自分でビジネスを立ち上げた方がうまく行くかも知れません。
転職エージェントに断られた場合の対処法
断わられた理由を明確にする
転職エージェントに断られた場合は、その理由を明確にする必要があります。転職エージェントを責めることなく真摯に話せば、説明やアドバイスをしてくれるはずです。
断られても諦めることなく次の手を打とう!
長期的な対処法
経験・スキルと希望条件が合わなくて断られた場合は、経験とスキルを上げるか、希望条件を落とすかのいずれかで対応します。現在の会社でスキルを上げることができるのであれば、スキルが身に付いたあとに転職することでいいでしょう。
しかし、それができない場合、転職を急いでいる場合などは、希望条件を落として一旦転職し、将来のために経験とスキルを上げることです。
具体的な方法教えて!
具体的にどうすればいいのか?現在の会社規模よりも小規模の会社をターゲットにします。給与は下がり、雑多な仕事も増えると思いますが、同時に色々なことに挑戦する機会も増えます。現行の会社では年齢や役職のカベがあって挑戦できないことも、小規模な会社であれば挑戦できる可能性は高くなります。
転職回数が多い、ブランク期間が長いという理由で断られた場合、あるいは人物面から企業へ紹介が難しいと判断された場合は、なぜそうなったのかを自分に腹落ちさせます。つまり、会社や他人に原因を探すのではなく、自分の中にその原因を探してください。ここを明確にしないと、同じ過ちを繰り返すことになるかも知れません。そのうえで、あなたが進みたい道、あなたに適したキャリア構築を行ってください。
1人ではできそうもないという人は、専門家にキャリアについての相談をすることも有益だと思います。興味のある方はパーソナルコーチングの記事を参考にしてみてください。
また、厚生労働省の委託事業としてキャリア形成学び直し支援センター(引用元:キャリア形成・学び直し支援センター PASONA)も参考にしてください。
希望する業界・職種・地域の求人を持っていないという理由で断られた場合は、適切な転職エージェントを選択するか転職エージェント以外の媒体を使って探します。この方法については次の短期的な対処法を参照してください。
短期的な対処法
短期的には、あなたに合った転職エージェントを選択するか、または転職エージェント以外の方法で転職先を探します。
すぐになんとかしたい…..
複数の総合型エージェントに登録申し込みをする
まずは、全業界・職種・年齢層の求人案件を網羅的に保有する総合型エージェント数社に登録することがお勧めです。特に大手であれば、求人数も所属するキャリアドバイザーも多く、さまざまな求職者に対応することが可能です。また、多くの非公開求人を保有していることから、あなたに合う求人を紹介できる可能性も高くなります。
公開されている求人より非公開求人数が圧倒的に多いので、複数の媒体を使うことで今まで目にしなかったあなたに合う求人と出会う確率が高くなります。
特化型エージェントに登録の申し込みをする
総合型エージェントに加えて、特化型エージェントからも2〜3社選んで登録の申し込みをしましょう。
エージェントには、20代の求職者をメインターゲットにしているエージェント、35歳以上の求職者をメインターゲットにしているエージェント、管理部門の特化しているエージェント、外資系に特化しているエージェントなど様々です。あなたの経験に合うエージェントを選択しましょう。
転職エージェント以外の方法を使う
数社の転職エージェントに当たっても対応してもらえないという場合は、他の方法も試してみてください。例えば、下記のような方法があります。
- ハローワーク等の公的機関を利用する
- 転職サイトを使って自分で応募する
- 縁故(友人・知人等)に仕事を紹介してもらう
ハローワークとは、厚生労働省が運営する地域の雇用サービス機関であり、職業紹介のほか、失業給付などの雇用保険、雇用対策なども行っています。
厚生労働省は、民間の職業紹介事業等では就職へ結びつけることが難しい就職困難者を中心に支援する最後のセーフティネットとしての役割を担います。
転職サイトとは、複数の企業が求人情報を掲載しているサイトのことで、あなた自身で人材を募集している企業を検索・選択し自由に応募することができます。
あなたの情報を見た企業や転職エージェントからスカウトが来ることもあります。
まとめ
- 断られた理由を明確にして自分に腹落ちさせる(原因を自分に探す)
- 長期的な視点で対処する。
(1) 現職でスキルを磨き転職の準備をする
(2) 現職でスキルを磨くことが困難であれば、希望条件を落として一旦転職し、将来のために経験とスキルを上げる - キャリア構築について考える。必要なら専門家に相談をする
- 短期的に対処する
(1) 転職を急ぐのであれば、複数のエージエントへの登録して可能性を高める
(2) 転職サイトやハローワークなど転職エージエント以外の利用も考える
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