キャリアに悩む30代、正しい考え方と対策を人事のプロが徹底解説!

30代になって、自分のキャリアについて悩んでいる人は多くいるのではないでしょうか?
もし、あなたがキャリアについて悩んでいるのであれば、一度立ち止まってよく考えてみましょう。30代のキャリアプランは、後に大きな影響を及ぼす重要な時期です。30代の選択が将来を決めると言っても過言ではありません。

これからどんな風に働けばいいんだろう…。

キャリアについてのよくある悩み

  • 今の仕事には慣れて来たがこの先どんなキャリアを歩むべきかわからない
  • 自分の適職が何かわからない
  • 将来のキャリアプランをどう計画すればいいかわからない
  • このまま今の会社にいるべきか転職すべきか判断ができない

この記事でわかること
キャリア構築の成否を左右するのは30代です。
キャリアを考える場合、1) 現職でキャリアアップをはかる 2)転職でキャリアアップをはかるの2つがあります。この記事では2)転職でキャリアアップをはかる方法・考え方を解説しています。現職でキャリアについて悩んでおり、転職も視野に入れている人はぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人
私は外資系企業の人事部門で責任者として勤務をしています。仕事がら、応募者の職務経歴書を拝見し、また採用面接を行う機会が多くあります。その過程を通じて、キャリアの構築がうまく行っていない人に出会うことが少なくありません。近くにメンターがいてアドバイスを受けていれば、きっとこんな選択はしなかっただろうなと思うことが多々あります。そこで、30代でキャリアについて悩んでいる人の羅針盤となるようこの記事を書きました。少しでもお役に立てれば幸いです。

目次

30代のキャリアについて

35歳転職ボーダーラインという話を聞いたことがあるかも知れません。
現在、あなたが31~32歳だとすると、企業は伸びしろを感じれば、未経験の分野であってもポテンシャル採用を行います。しかし、38~39歳だと、スキルと経験を前提とした即戦力採用が中心となるため、ポテンシャル採用を行うことはかなり稀です。

そのため、35歳が転職ボーダーラインだと言われています。もちろん、35歳ボーダーラインはあくまで目安ですが、35歳を一つの基準としてキャリアの計画を立てることは大切です。

転職35歳ボーダーラインは単なる目安

キャリアを考える4つのステップ

次の4つのステップに沿ってキャリアを考えてみてください。最初は少し手間だと思うかも知れませんが、その手間をかけることによってキャリア構築の全体像が見えて来ます。

【Step1-4】で全体像を見た後、これに続く詳細説明で具体例を確認しよう。

STEP
キャリアの現状を把握する

今まで経験して来た会社、獲得したスキル・知識などが、スムーズに説明できるようになるまで分析し整理します。

STEP
転職マーケットでの自分の位置を認識する

転職マーケットでの相対的位置があなたの市場価値です。

STEP
中・長期でキャリアを考える

最終的には何のプロフェッショナルになりたいかを、自分に明確にしてください。

STEP
キャリアアンカーを持つ

仕事・人生を考えるときに、自分に取って譲れない価値観を認識してください。

Step1からStep 4の詳細説明

Step 1 キャリアの現状を把握する


キャリアの現状を把握するためには、次の1から4をまとめてください。今後進むべき方向の地図とコンパスを手に入れることができます。

自分は何ができて、何が不足しているのかを把握しよう。

  1. 保有しているポータルブルスキルを書き出す。職種に関わらず仕事をする上で共通するスキルのことで、例えば、PCスキル、英語スキル、コミュニケーションスキルなど
  2. 保有しているファンクショナルコンピテンシーを書き出す。特定の職種・職務に求められるスキル、知識、経験などのこと
  3. 今まで経験した会社と部署を書き出し、どんな立場(リーダーかサポートかなど)でどんな仕事を行ったかを書き出す
  4. 書き出した会社・部署・仕事に、獲得したあるいは発揮したポータブルスキルとファンクショナル・コンピテンシーを当てはめる

面接官は、どの会社の、どの立場で、どんなスキル・コンピテンシーを獲得したかあるいは発揮したかを確認します。

Step 2 転職マーケットでの自分の市場価値を知る

あなたが信じていること・正しいと思っていることは、転職マーケットでは異なるかも知れません。
今の会社でキャリアを積んで行く場合であっても、自分の市場価値を把握しておくことは有益です。

認めたくないようことでも現実に目を向けよう。

【注意】

出身大学は新卒時だけではなく、転職時にも影響します。また、前職はどこの会社で勤務をしていたか、は現職はどこの会社かということも転職マーケットでは大きく影響します。

大手企業は大手企業の出身者、中小企業は中小企業の出身者、外資系企業は外資系企業の出身者を求める傾向にあります。
いわゆる大手の有名企業と言われる会社は、候補者の前(現)職の会社が自社と同レベル(以上)でないと、選考の土俵には載せることはまずないと思って間違いはありません。

これを理解することで、転職を決心するのか、転職時にどの会社をターゲットにするかなどを絞ることができます。

あなたの現職は中小企業であるが、大手有名企業へ転職することが希望なのであれば、普通に応募しても採用可能性は高くはありません。採用可能性を高めるためには、それなりの努力や工夫が必要です。例えば、難関と言われる資格を取得する、MBAなどを取得する、現職で実績を出してそれを発信するなど、応募先企業の求める基準を超えるようなものが必要です。

Step3 中・長期でキャリアを考える

あなたは何のプロフェッショナルになりたいですか?

キャリアアップとはその道のプロになること

30代になると、少なくとも数年間の勤務経験はあるはずです。そこに一貫したスキル、知識、経験があれば、それがキャリアとなり、その分野のプロフェッショナルと言えます。

大手企業で10年間勤務したとしても、3年ごとに全く畑違いの職種にローテンション異動していれば、社内ではベテランのゼネラリストでも、社外では素人とみなされる傾向にあります。

もし、あなたが今がそういう状態であるのなら、現職で一貫したスキルを身に付けるか、それが不可能なら一貫したスキルの獲得を目的として転職先を捜すことも選択肢の一つです。

とは言え、短期間にプロフェッショナルになることは厳しいので、最終的に何のプロフェッショナルになりたいのかを決め、そのための中・長期プランを考える必要があります。短期的には資格取得や異動希望などかも知れませんが、中・長期的には留学や転職も視野に入ると思います。

【実話】
私の知り合いに、外資系製薬企業でマーケティング部長をしている人がいます。その人はそこの職に就くまでに、どの企業で何を経験すればそこに入社できるかを研究し、戦略的に転職をして数年かけてそのポジションを獲得しています。

Step 4 キャリアアンカーを持つ

自分の描いた通りのキャリアプランを進むことはなかなか困難です。何かを計画して進めようするとき、様々な障壁が発生してうまく進まなかったことは誰しも経験していると思います。
キャリアプランも同じです。そこで重要になるのが、キャリアアンカーを持つことです

キャリアアンカーとは迷ったときに立ち返る幹のようなもの

【キャリアアンカーとは】
キャリアアンカーとは、自分にとって外せない価値観や動機、欲求などの事をいい、長期的なキャリア形成には欠かせないものです。何が得意か、どのように働きたいのか。マネジメントか専門職か、安定志向か起業家精神か、ワークライフバランス重視かなど。

もしまだ持っていなければ、今からでもキャリアアンカーを構築することを強くお勧めします。どう進めばよいかわからなくなった時に、立ち返る場所であり幹となるものです。

30代の転職難易度

現在の会社でキャリアアップができれば、それに越したことはありません。しかし、それが簡単ではないから、キャリアに悩むということになります。

30代は比較的転職しやすい年代だと言えます。転職エージエントや転職サイトに登録をすると、多くのエージエントから連絡があり、直接企業からのスカウトもあると思います。

選択肢は多くありますが、将来を考えて慎重に転職先を選択することが、将来のキャリア構築につながります。

キャリアアップを目指す

30代の転職は、キャリアップを目指す転職が多くを占めます。専門スキルや経験を活かして、今より仕事の幅や裁量範囲を広げ、年収をアップさせ、高いポジションに就くことを目指した転職です。

そのためには、獲得した経験・スキル・知識の棚卸を行い、5年先、10年先を踏まえて体系的にキャリア構築をしていく必要があります(キャリアを考える4つのステップ参照)
とは言え、体系的にキャリア構築を行うことは簡単ではありません。パーソナルコーチングなどに相談することも選択肢の一つです。費用はかかりますが、キャリアについて本格的に学ぶことができます。

キャリアチェンジを目指す

今の職種が自分に向いていない、別の分野に興味を持ったなど、異なる職種への挑戦もあると思います。いわゆるキャリアチェンジですが、この場合、転職難易度は高くなります。キャリアチェンジ転職を目指す場合は、下記2点を意識してください。

キャリアチェンジ転職時に身につけておくべきもの

  1. どこへ行っても通用するポータブルスキルを身につける
    問題解決能力、プレゼンテーション能力、交渉力などのポータブルスキルは、職種、業界に関わらず武器となります。
  2. 希望職種の基礎は勉強しておく
    例えば、営業経験者が自分は営業に向かないから、職種を経理に変更すること考えたとします。経理の知識が全くない30代を採用する企業は少数派です。少なくとも、簿記3級や2級程度の資格を取得をしておく必要はあります。

    採用側も、スキル、経験不足をカバーする意欲やポテンシャルが感じられないと、採用に踏み切ることができません。

30代の転職で注意すべきこと

キャリアアンカーの重要性

キャリアアップ、キャリアチェンジのいずれにしろ、30代の転職は将来のキャリアに大きな影響を及ぼします。また、仕事だけではなく、結婚や子供と言ったプライベートにも大きな変化がある年代です。

自分が立てたキャリプランが、その通りに進むことはまずないので、柔軟に対応して行く必要があります。そこで重要となるのが前述したキャリアアンカーです。キャリアの幹がしっかりとしていれば、枝葉の変化は大きな影響を及ぼしません。

ちなみに、今の会社が嫌だから、辛いからという理由だけだと、かなりリスキーな転職になります。場合によっては、短期間で転職を繰り返し、状況が悪化することにもなり兼ねません。このような場合こそ、キャリアアンカーを思い出してください。キャリアアンカーに従った転職なのであれば、例え給与等の条件が悪化しても、納得はできると思います。

失敗しないためには転職エージエントに相談することも有益

私は、採用側の立場として転職エージェントをよく利用します。
全ての面接が終了して採用通知を出した時に、転職を止めて現職で頑張りたいという理由で辞退されることがあります。転職エージェントにとっても、採用企業にとっても、決して歓迎できる話しではありません。

しかし、候補者にとってはキャリアの相談ができ、非公開求人の紹介もあり、面接で他社の情報も直に知ることができました。そのうえで現職がやっぱりいいとの結論に達したのであれば、有益な経験ができたことになります。新たな気持ちで現職の仕事にも取り組むことができるようになっているはずです。しかも、無料なので費用はかかりません。

転職エージエントは数多くあるので、興味のある人は下記の記事を参考にしてみてください。

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この記事を書いた人

【プロフィール】
外資系企業で人事の責任者をしています。このブログは【転職とキャリアのワンストップサイト】として、転職者・採用者の両視点から情報発信をしています。転職やキャリアについて興味のある人は、是非記事を見て行ってください。

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