40代で転職を迷っている人は少なからずいるのではないでしょうか?転職をするのであれば、年齢的に最後になると考えている人もいると思います。
慣れ親しんだ会社を辞めて新たな会社へ入社することの緊張感、ネットで散見される40代転職はやめた方がいいという情報。不安になる気持ちもわかります。
40代で転職してよかったかどうかは、入社直後ではなく5年後、10年後にわかることです。転職直後はしんどい思いをするかも知れません。
40代の転職が成功していれば、スキル、知識を十分に獲得した経験豊富な50代になっています。50代であってもキャリアアップの転職が可能であり、またなにより現職の満足度も高いものになっているはずです。40代転職の見極めは後の人生を左右する重要なことです。
40代で転職してよかったかどうかは、入社直後ではなく5年後、10年後にわかること。
この記事を書いた人
私は外資系企業の人事部門で責任者として勤務をしています。自身も日系・外資の両社で幾度かの転職を経験しており、転職者としての視点、採用者としての視点の両者から転職を捉えています。また、40代で2度の転職を経験しました。結果的には年収もポジションも上がり転職に成功したと思っています。少しでも皆さんのお役に立てる情報が提供できれば幸いです。
「40代転職やめとけ」が正しい場合
あなたが40代未経験者として転職するのであれば、「40代転職やめとけ」や「40代転職はやめた方がいい」という情報は正しいと言えます。
今あなたは、40代で未経験者なんていないでしょと思っているかも知れません。しかし、未経験と同視されるものが2つあります。
キャリアチェンジの転職と社内ゼネラリストの転職は、転職の必要性をよく考えてから。
40代転職で未経験者と同視されるもの
未経験と同視されるものは次の2つがあります。
キャリアチェンジ
40代であっても、職種を変更するなどキャリアチェンジを望む人はいると思います(例えば、営業職からIT職への転職)。キャリアチェンジをすると、趣味や副業などである程度の知識はあったとしても、仕事上では未経験者です。ポータブルスキル(英語力、交渉力、マネジメント力、PCスキルなどどこへ行っても通用するスキル)でカバーする必要があります。
社内ゼネラリスト
キャリアチェンジが厳しいことは本人もわかっているので、覚悟をもって転職を実行していると思います。
キャリアチェンジより厳しい状況に陥る可能性があるのは、現(前)職の会社での経験が豊富な40代ゼネラリストです。
特に1社しか経験のない社内ゼネラリストは、社外へ出ると未経験と同レベルに近い場合があります。
ローテンション異動によって、社内では様々な仕事を経験し、人脈を築けていても、社外で通用する専門性や付加価値を生み出す能力がなければ厳しい状況に置かれます。
よくある勘違いが、自分は優秀だと思っているが、社外では未経験と同視されるレベルの社内ゼネラリストです。転職先で前職の経験を活かすことは大事ですが、その経験に引きずられるようなことはあってはなりません。
【注意!】
ポータブルスキル(PCスキル、英語力、交渉力、コミュニケーション力など、どこへ行っても通用するスキル)や付加価値を生み出す能力(高い分析力、結果を出す実行力、周囲を巻き込む影響力、ITスキルなど付加価値を生み出す土台となる能力やスキル)は活かせますが、前職の経験は邪魔でしかない場合も起こり得ることを意識してください。
途中入社した40代社員に、懇切丁寧に指導する会社はありません。即戦力になると思うから40代のあなたを採用しているのです。転職前に自分はどんな付加価値を提供できるかを考えてください。付加価値を提供できるスキルや経験を十分に持っているか、自己分析することが必須です。
あなたは転職先でどんな付加価値を生み出すことができますか?
40代で転職をしない方がいい人・転職をした方いい人
年齢は転職にとって大事な要件ですが、より重要なことは、年齢に見合う転職準備ができているかということです。つまり、今の会社を辞めて社外へ出たときに、やっていけるだけのスキルや知識を十分に獲得しているか、言い換えれば、会社の看板なしであなた個人の力でやっていくだけのスキルや知識があるかどうかです。
転職準備状況チェック
下記の「転職しない方がいい人」・「転職した方いい人」それぞれの項目にどのくらい当てはまりますか?
転職をしない方がいい人
- 自分の市場価値がわかっていない人
- 自分の長所・短所を正確に把握していない人、勘違いしている人
- キャリアパスを考えていない人。キャリアパスを明確にしていない人
- 専門分野をもっていない人
- 前・現職のやり方や考えを引きずっている人
- 不平・不満が口をついて出てくる人
転職した方がいい人
- 自分の市場価値を正確に把握している人
- 転職する目的が明確な人
- 明確なキャリアパスを持っている人
- いい意味で人との摩擦を恐れない人
- 柔軟性が高い人。前職から現職への切り替えがスムーズにできる人
- 安定よりも自分の成長を望む人
自分の「市場価値」がピンと来ない人は転職要注意です。
自分の市場価値をどうやって把握していいかわからなければ、転職エージェントに相談することも方法の一つです。相談したからと言って必ず転職する必要はないし、費用も完全無料なので利用する価値は十分にあります。
転職エージェントに興味のある方は下記の記事を参考にしてください。
40代で転職をしないリスク・転職をするリスク
40代の転職は、「するもリスク」、「しないもリスク」です。40代の転職は、あなたを成長させ未来を明るくする可能性がある反面、後悔で辛い日々を送るリスクもあります。
40代で転職をしないリスク
40代の転職はキャリアを構築する最後のチャンスともいえます。最後のチャンスを行使しないのであれば、将来にリスクを負う可能性もあります。
- 現状でキャリアが頭打ちとなる
- 成長できるスキル、知識、経験を得る可能性がなくなる
- 50代で転職することになったときに対応できない
- チャンスを活かさなかったことに激しい後悔が残るかも知れない
40代で転職をするリスク
40代で転職することは相応のリスクを伴います。20代であれば、うまく行かなかった場合は次の転職機会も十分にありますが、40代であると厳しい状況に置かれることは否定できません。
- 今までの経験や知識が活かせるとは限らない
- メンタル面での負担が大きくなる
- 短期離職になる可能性も否定できない
- これを機に転職を繰り返すことになり、転職前より状況が悪化するかも知れない
- どうしても合わない上司、同僚、部下がいるかも知れない
40代の転職リスクを回避するために
転職は経験やスキルが重要であることはもちろんですが、それ以上に重要なのが転職先の会社のコア・バリュー(中核的価値観)とあなたのコア・バリューが一致していることです。
コア・バリューとは会社とあなたの価値観のこと
会社のコア・バリュー(中核的価値観)とはなにか
コアバリューとは、企業や組織、個人が持つ根本的な信念や価値観です。コアバリューは、行動や意思決定の基準となり、組織の文化やアイデンティティを形成します。
教科書的に言うとこのようになりますが、ここで重要なのは会社が大々的に打ち出しているコア・バリューではなく、実際に活躍している社員が持っているコア・バリューです(本来は一致しているべきですが、会社と個人のコア・バリューの一致は難易度が高く、解離していることもしばしばあります)。
面接で活躍している社員数名の特徴を聞けば、その会社の実質的コア・バリューがわかります。そのコア・バリューとあなたのコア・バリューが一致していれば、他のことは後から付いて来ます。
逆に、コア・バリューが一致していないと、入社後にメンタル面で苦しい状況におかれることになります。
例えば・・・・
家事は夫婦で分担すべきだと考えている女性がいます。その女性が、家事は女がするべきだと考えている男性と結婚した場合、日々の生活の満足度は低くなります。コア・バリューが異なるからです。
しかし、家事は全くできないものの、家事は分担して行うべきという価値観の男性と結婚した場合、日々の生活は良くなっていくでしょう。コア・バリューが一致していれば、家事のスキルは後から付いて来ます。
このように、コア・バリューで転職する会社を判断することは、リスク回避の方法として有益です。
コア・バリューが一致する会社を選ぼう
40代の転職攻略法
転職を決心したのであれば、転職を成功させるため次の40代転職攻略法を実践してください。
書類選考攻略法
書類選考が通過しなくて悩んでいる人は、書類選考の結果が遅いのはキープ?人事のプロが徹底解説の記事を参考にしてください。きっと新たな発見があると思います。
面接攻略法5つのポイント
面接は、自分をプレゼンして価値を認めてもらう場であると同時に、あなたも会社を見極める場です。
下記の1-5を準備して面接に望めば、成功する可能性はかなり高くなります。
1-5が口をついて出て来るようになるまで準備をしたうえで、あなたも面接を通して自分に合う会社か見極めましょう。
面接攻略法5つのポイント
- レジメに書かれていることはすべて回答できるようにしておく。
レジメに書かれていることは、面接で聞いてくださいということです。
何を聞かれても回答できるよう準備をしておいてください。 - 論理の一貫性は最も重要
経験や経歴を説明しているときに、一貫性がないと面接官はあなたの話しの信ぴょう性を疑います。具体例をベースに体系的に実績を説明できるようにておきます。 - 退職理由の納得性
退職理由は、短期離職しないか、前職ではちゃんと勤務できていたのか、転職動機に納得性はあるかなどを確認しています。虚偽を言ってはダメですが、表現には注意が必要です。
「上司と大喧嘩して即日辞めました」というような人を採用する会社はありません。 - キャリアパスの明確化
転職後にあなたはどんなことをしたいのか、どんな活躍ができるのか、実績の裏付けとともに入社後に付加価値を生み出せるストーリーを語ってください。 - 面接官の意図を理解し回答する
面接官は求めている回答があるので、的確に的を射た回答をします。
面接官に迎合するということではなく、反対意見でもいいので、ピントのずれた回答をしないということです。
まとめ
- 40代転職でよかったと思えるのは、入社直後ではなく5年後、10年後にわかること
- 転職前に自分の市場価値十分に把握する
- 成功する転職のためには、転職する目的、キャリアパスを明確にしておく
- 書類選考、面接対策を十分に行う
- 転職後は柔軟に対応する。過去の成功体験を引きずらない
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