40代で転職失敗しても人生は終わったりしない

40代で転職が失敗して後悔している人、あるいは転職を考えているものの、失敗すると取り返しがつかなくなると思い踏み切れない人もいるのではないでしょうか?
20代ならまだしも、40代の失敗は人生終わりだと悲壮感・不安感に包まれているもいるかも知れません。

40代の転職怖い

【この記事でわかること】
この記事では、40代の転職でうまくいかない原因と成功の秘訣を解説しています。65歳まで働くとするとまだ20年ほどの時間があります。十分に挽回はできます。心配はいりません。

【この記事を書いた人】
私は外資系企業の人事部門で責任者として勤務をしています。自身も日系・外資の両社で幾度かの転職を経験しており、転職者としての視点、採用者としての視点の両者から転職を捉えています。また、40代でも2度の転職を経験していますが、年収もポジションも上がり転職に成功したと思っています。少しでも皆さんのお役に立てる情報が提供できれば幸いです。

目次

40代の転職で失敗する3大要因

40代で転職してうまくいかない人は、次の3つの要因のどれか、あるいは全部に当てはまっていることが多いようです。

  1. 保有している経験・知識・スキルと給与のバランスが取れていない
  2. 現(前)職の成功体験に縛られている
  3. フィードバックを受け入れることができず柔軟な対応ができない

1.保有している経験・知識・スキルと給与のバランスが取れていない。

保有している経験・知識・スキルと比較して、現行(希望)給与がマーケットの相場より低くければ、選考が順調に進む可能性は高くなります。

逆に、現行(希望)給与が自分の提供できる付加価値を超えているのであれば、転職活動は厳しいものになります。転職できたとしてもブラック企業かも知れません。

年功序列の会社で長年勤務して来た人は、自分の価値をマーケットを基準に考えるということを腹落ちさせることが難しいかも知れません。

現(前)職の会社でどんな成果を出して来たかという実績に加えて、新たな組織にどんな付加価値を提供できるか考えてみてください。

あなたが提供できる付加価値はなんですか?

「なぜあなたを採用する必要があるのですか?」と質問されたとき、明確な回答ができますか?
厳しいことを言うようですが、付加価値が提供できない40代を必要とする会社はありません。

2.現(前)職の成功体験に縛られている

転職は新たな会社に行くことなので、ゼロベースで考える必要があります。もちろん、前職の経験を活かした活躍ができればそれに越したことはありません。しかし、前職の経験がそのまま活かせる会社はそう多くはありません。

前職でうまく行った同じ考え方、同じ行動を取った場合、新たな職場では浮いた存在になることがあります。陰では「あの人何もわかってないよね」と言われるかも知れません。

そのまま新会社適用できるものに、ポータブルスキル(問題解決能力、プレゼンスキル、コミュニケーション能力、交渉力など職種や会社に関係なく共通するスキル)がありますが、それ以外のことにつては、次の3Stepを踏んでください。

1) 転職先の会社の社風に馴染み 2) 実績を出し 3)付加価値を提供することが大事

STEP
新会社の社風、仕事の進め方、人間関係などをありのままに受け入れる

新会社を十分に理解するまで、批判めいた言動は厳禁です。
相手を理解した後でないと、あなたが理解され受け入れられることはありません。

STEP
新会社で実績を出す

Step1で新会社の一員となった後、できるだけ速やかに何らかの実績を出します。
ここで武器になるのが、ポータブルスキル(問題解決能力、プレゼンスキル、コミュニケーション能力、交渉力など)です。会社や職種に関わらずすぐに発揮できるスキルです。

STEP
付加価値を新会社に提供する

業務改革などを提案し会社に付加価値を提供します。
この段階では、会社を理解し信用を得ているので、新たな提案や改革も批判ではなく問題解決、価値提供として提案することが可能です。

3.フィードバックを受け入れることができず柔軟な対応ができない

あなたの現状を振り返って、以下の問に答えてみてください。

  1. 部下から何らかの指摘があったとき傾聴していますか?
  2. 定期的に他者からのフィードバックを受けていますか?
  3. 耳の痛い話しや他者からの批判に柔軟に対応していますか?

過去を振り返って、上記3点がNoであれば新会社では注意する必要があります。
今まで出来ていなかったものが、急にできるようにはなりません。

フィードバックを受け入れることは重要事項の一つです。

キャリアアンカー以外のものについては、フィードバックを素直に受け入れた方が失敗は減少します。

キャリアアンカーとは何か?

キャリアアンカーとは
キャリアや働き方を選択する際に、どうしても譲れない「価値観」「欲求」「能力」のことを指します。キャリアアンカーは、生涯に渡り自分の働き方の軸となるものです。キャリアアンカーを明確に意識する事は、社会人として生きていくうえでも重要なことです。

キャリアアンカーは次の8つのタイプに分類されます。

8つのキャリアアンカータイプ

  1. 専門・職能別能力:専門分野を習得してスペシャリストになりたい
  2. 経営管理能力:組織の統括、経営層としての役割を担いたい
  3. 自律・独立:フリーランスなど自分のペースで仕事がしたい
  4. 起業家的創造性:起業あるいはベンチャー企業などで自分で試したい
  5. 保障・安定:雇用の安定と収入の安定を求める
  6. 奉仕・社会貢献:社会に貢献し、他者の役に立つことがしたい
  7. 純粋な挑戦:困難な問題に挑戦し、それを克服することに喜びを感じる。
  8. 生活様式:ワークライフバランスを重視する

しっかりとしたキャリアアンカーを持っていれば、安定した気持ちで転職活動を進めることができます。
キャリアアンカーは、仕事だけではなく私生活を含めたキャリアプラン全体で考えた方がベターです。
40代であれば、キャリアアンカーという言葉は知らなくても、同様のことは考えて来たと思います。

キャリアアンカーを構築するときは下記を考えてみてください。

【キャリアアンカー3つの要素】

  1. 自分は何が得意なのか(コンピタンス)
  2. 自分は何をやりたいのか(動機)
  3. 自分がやっていることに意味や価値を感じるのか(価値観)

もし、一人ではキャリアプランを作ることに困難を感じるようであれば、費用はかかりますがパーソナルコーチングを利用することも一案です。

40代中途採用者の現状

40代で転職を希望している人、転職せざる得ない状況にある人は、まず自分の職種の専門性、保有しているスキルを分析する必要があります。

あなたの専門性、スキルを見極める


40代の転職は、組織に付加価値を生み出すことができる専門性・知識・経験・スキルが要求されます。
コストの高い中堅を採用する場合、採用者は「教える」という考えは持っていません。できて当たり前、
20代・30代で転職経験のある人も、40代は状況が異なることを認識してください。

40代の転職の難易度

40代の転職の難易度については、人によって大きな差があると言えます。好条件で高いポジションでのスカウトメールが複数来る人がいる一方で、書類選考や面接が合格せずに悶々としている人もいると思います。
職種の市場価値に大きく左右される事はあるものの、今まで獲得して来た知識・経験・スキルがものいう年代です。
では、転職に苦戦している40代はどうすればいいのでしょうか?

40代の転職を成功させるために

今の知識・経験・スキルを急に向上させることはできないので、下記を実行してみてください。

時間をかけて慎重に待つ

状況が許すのであれば、自分が満足できる会社が出て来るまでじっくりと待ちます。待っている間に自分の知識・スキルを上げる努力をして、チャンスが来た時には逃がさないようにしてください。

ただし、1年を限度とします。1年待っても満足できる転職先が見つからない場合は、知識・経験・スキルと比較して理想が高過ぎるのかも知れません。また、もし失業中であれば1年を超えるブランクは大き過ぎます。ますます不利な状況になる可能性が高くなります。
この場合は、転職を断念するか転職先のターゲットを変更するかしてください。

妥協の転職はしないで、自分が満足できる会社と出会えるまで待ちましょう。ただし、失業中であれば1年を限度とします。

求人の募集年齢を知る

現在は、求人票に年齢制限を記載することは原則として出来ませんが、企業は年齢もターゲットの一つにしています。年齢不問の求人はまずないと思った方が現実に即しています。

書類選考が通過しないのは、30歳代半ば以下がターゲットの求人に応募をしているからかも知れません。逆に50代をターゲットの求人に応募している可能性もあります。
職務内容からある程度のターゲット年齢の推測はできますが、絞り込むことは困難だと思います。この点は、転職エージエントを利用すれば検討違いの求人に応募することはなくなります。

求人票には書けませんが、現実には年齢要件は存在します。

都市部ではなく地方をターゲットとする

都市部は転職の激戦区です。
若くて優秀な人も多くいるため、そこで競争に勝ち抜く事はかなり大変です。
一方、地方都市は転職市場としては競争が緩やかです。そのため、企業はUターン転職やIターン転職などと銘打って色々な工夫をしています。

最近はオフィスを地方に移す会社やリモートワークも増えていますが、やはり地方にある企業は候補者集めに苦労しているので、ねらい目であることの変わりはありません。転居が必要な地方への転職であれば、引越代はもちろん社宅や家賃補助を出してくれる会社が大半なので、候補の一つにいれる価値はあります。

条件によっては転居や単身赴任も検討しよう。

給与や企業規模を再検討する

転職活動が困難を極めている状況なのであれば、現状と同じ給与、同レベルの会社への転職は難しいかも知れません。ターゲットをもう少し広げることで転職活動が好転するはよくあります。

これは募集する企業の方にも言えることで、求人スペックを満たす人が見つからないために要求レベルを変更することがあります。両者の変更点が一致した点で、お互いが満足できる転職の可能性が高くなります。

キャリアアンカーが明確であれば迷うこともないでしょう。

キャリアを考える上では、最後の転職ともいえる重要な40代の転職であることを考えると、転職のプロである転職エージエントを利用することをお勧めします。事前相談から登録、採用決定まで無料で費用はかかりません。
なにより、エージェントを通さないと入手できない非公開求人を多く紹介してもらえる事が大きなメリットです。

転職エージェントや転職サイトについて知りたい人は下記の記事を参考にしてください。

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この記事を書いた人

【プロフィール】
外資系企業で人事の責任者をしています。このブログは【転職とキャリアのワンストップサイト】として、転職者・採用者の両視点から情報発信をしています。転職やキャリアについて興味のある人は、是非記事を見て行ってください。

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